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おおきなみなとの日々帖

食、本、冷えとり、味のあるカッコイイ役者さん、嵐さんに甘いけれど、日常がいちばん好き。

『あん』の余韻。

 https://instagram.com/p/3JepNTRKAQ/

試写会に行って来ました。

上質なドキュメンタリーを観てるような錯覚でした。もう一度観たい作品。#あん

 

big-harbor-sun.hatenablog.com

 

余韻をかみしめたくて、帰ってからも無責任でやかましモノがはびこるテレビをつける気がさっぱりしませんでした。

 

静かな映画でした。

演者さんたちが誰ひとり漏れることなく違和感というものがなくて、誰ひとり主張し過ぎないので、まるでドキュメンタリーを観ているかのような説得力でした。

満開の桜から季節が流れていく様がなんとも確実で、ときに温かったりときに冷たかったり、生きていくそのものを表現しているようでした。

 

自分の立ち位置によって観る視点のようなものがありましょう。

いわゆる順風満帆でもなく、人並みでもなく、世間一般の人が当たり前のように経験する変化もない生き方をしているわたしは、マイノリティーからの視点で観ることしかできません。

その視点から観たこの映画で一番こころが震えたのは、 

私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。…だとすれば、何かになれなくても、私達には生きる意味があるのよ。

あんを作るとき、豆がここまでやってきてくれるまでのはるかな旅のことを思って豆をいたわったり、豆の変化をグツグツやコトコトの音で理解したり、袖振り合う人たちとも心をこめて向き合う姿勢、木々や葉っぱ、風や空の自然が醸す圧倒的なシンプルさをシンプルに受け取る美しさに魅了されました。 

あ~、わたしって、この世をきちんと見ていないし、聞いていないんだな。

 

経済的豊かさ=幸せの構図が揺るぎなくて効率がサイコーともてはやされがち。

夢追い人を賛辞してその人たちのためにはいくらでも大金を費やすのを厭わない。(オリンピックやワールドカップもどきの異様な大騒ぎぶりがどうしても解せない非国民なので)

何か特別なことはないかと目を皿にしながら、人よりも少しでも得したい、人が持ってるものはなんでも欲しい、したいことはなんだって叶えたい。

言ったもん勝ち、主張したもん勝ちで声なき声には耳を傾けない。(もしかして声なき声のところが一番ほんとなのに)

 
ざっくり言えばこんなです、わたしにとっての今の世は。

こういうのがことごとく嫌で脱出しようと大あがきの最中のわたしには、ふわっと肩を包まれたような優しさに満ちた映画でもありました。
 
この世をきちんと見ないで、聞かないなら、生きる意味はまったくないな。
 
もっと空を見上げよう。
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